コンシェルジュの岩永です。
今回は、残暑厳しい日本を脱出し、「極北の地」へご案内いたしました。
北の果て、自然のスケールが桁違いの2つの島──アイスランドとグリーンランド。
名前だけ見ると「アイスランド=氷の国」「グリーンランド=緑の国」と思いがちですが、実はその逆。
アイスランドは火山と温泉の島。
地熱がもたらすブルーラグーンや、間欠泉、地球の割れ目など、ダイナミックな自然が魅力です。
再生可能エネルギー先進国としても注目されています。
一方のグリーンランドは、その8割以上が氷床に覆われた“氷の大地”。
氷河が海に流れ込む壮大な景観、イヌイット文化など、自然と共に生きる暮らしが体験できます。
地球温暖化の最前線として、環境問題の現場でもあります。
どちらも地球の“素顔”に出会える、唯一無二の場所です。
アイスランドについては、以前ご紹介いたしました。
↓ぜひこちらをご覧ください!
アイスランド添乗記・オーロラや氷の洞窟など大自然を満喫する8日間【添乗ブログ】
今回は、グリーンランドについてご紹介いたします。
今回のツアーでは、イルリサットに3連泊しました。
町の名前「イルリサット」はグリーンランド語で「氷山」を意味します。
その名の通り、町の沖には無数の氷山が漂っています。
この氷山を生み出しているのが、街の南東に広がるセンメック・クヤスルック氷河(Sermeq Kujalleq)。
世界でもっとも活発に動いている氷河の一つとして知られています。
1日に約30メートルものスピードで前進し、年間で約350億トンの氷を海へと放出しています。
350億トン?あまりに膨大な数字でピンときませんが、東京ドーム28万個分の重さだそうです。
一説では、あのタイタニック号を沈めた氷山もここで生まれたとか。
2004年にユネスコ世界遺産に登録されたイルリサット・アイスフィヨルドの源流であり、地球上で最も多くの氷山を生み出す場所の一つです。
このツアーでは、「アイスフィヨルド」を間近に感じられるハイキングにご案内しました。
ノルウェーやニュージーランドなどで、ダイナミックなフィヨルドの風景をご覧になったことがある方も多いかもしれません。
「フィヨルド」とは、かつて氷河が山を削りながら深い谷を作り、その氷が溶けた後に海水が入り込んでできた、独特の入り江の地形。
一方、「アイスフィヨルド」は、今もなお氷河が流れ込み、そこから氷山が生まれ続けているフィヨルドのこと。
動き続ける氷と静かな海が織りなす風景は、まさに“生きている地球”の姿。
ここでしか見られない、迫力と神秘に満ちた景観です。
そして、エキ氷河クルーズにご案内。
船の上から、巨大な氷河の正面を間近にご覧いただきました。
このエキ氷河、イルリサットから北へ約80kmの場所に位置しています。
・幅約3.6キロメートル(東京駅から東京タワーまでとほぼ同じ距離)
・高さ約200メートル(ビル60階建て相当、うち水面上に見えるのは約30〜40メートル)
・奥行き(内陸側への長さ)約30キロメートル
グリーンランド氷床から直接海へ流れ込む氷河の一つです。
氷河正面でゆっくり時間をとってくれたので、氷塊の崩落(カーフィング)も何度かご覧いただきました。
海に浮かぶ氷山と、海からそびえたつ氷河の青く輝く美しさは光の加減で刻々と変わり、とても幻想的な光景でした。
ガイドさんによると、ここ10年の氷河の後退はこれまでにない加速だそうです。
グリーンランドの主要産業、漁業にも大きな変化があり、地元住民の狩猟文化や生活様式への影響は深刻です。
海面上昇については、重い重い氷河が溶けることで、押さえつけられていた大地が上昇、グリーンランドでは今のところ大きな変化はないとのこと。(他説あり)
イルリサットを訪れると、氷の美しさと同時に、その脆さにも気づかされます。
地球温暖化は、遠い北極の話ではなく、私たち一人ひとりの暮らしとつながっています。
氷の大地がこれからも息づいていけるよう、私たちも自然と共に歩んでいきたいと改めて思いました。
毎日マイボトル持参、4階のオフィスへは(できるだけ)階段利用の岩永です。
イルリサットでいただいたグリーンランド産ズワイガニ(Snow Crab)!
レストランの方から「さすが日本人、食べ方が上手ね!」と褒められました。
そんな私達を見て、他のお客さんも次々注文。
その悪戦苦闘ぶりを見かねて、「蟹の食べ方ミニ講座」を開きました。
とても感謝されましたよ☺
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