秋のヨーロッパは、澄み渡る青空と紅葉に染まる街並みが美しく、音楽や美術などの文化をゆったりと楽しむのに最適な季節です。また、さまざまな食材が収穫期を迎え、ヨーロッパの自然豊かな風景を眺めながらワインや美食を楽しめます。
この特集では、そんな秋の奥深い魅力にたっぷりと浸りながら、心満たされる優雅な過ごし方をご紹介。
「音楽の秋」「美術の秋」「美食の秋」の三大テーマを切り口に、秋のヨーロッパの魅力に迫ります。
特集後半では、こだわり抜いた秋のヨーロッパツアーもご紹介します。
秋風が街を包み込む10月。ヨーロッパ各地では、コンサートホールやオペラハウスの新シーズンが本格的に始動します。ショパン国際ピアノコンクールや、作曲家たちが誕生した街の散策など、落ち着いた気候の下で音楽に浸る贅沢を味わいましょう。
5年に一度開催されるショパン国際ピアノコンクール。
2025年10月9日〜10月12日に、第19回ショパン国際ピアノコンクールの2次予選が開催されます。
予選では、本選とは一味違う、若き才気あふれるピアニストたちの心揺さぶられる演奏を聴くことができます。
厳粛なホールで心震わせる演奏に耳を傾ける瞬間は、まさに「音楽の秋」のハイライトです。
ワルシャワはショパンが20歳まで過ごした場所。コンクール鑑賞の合間に、ショパン博物館や生家〈ジェラゾヴァ・ヴォラ〉への訪問もおすすめです。紅葉に彩られた公園や旧市街で、ショパンの生活に思いを馳せる貴重な体験ができます。
ベドジフ・スメタナ、アントニーン・ドヴォジャーク、レオシュ・ヤナーチェク、ヨゼフ・スクなど、多くの著名な作曲家が誕生したチェコ。
プラハでは、スメタナホールやドヴォルザークホール、教会でのオーケストラ演奏が盛んです。
プラハ城では毎日正午にクラシックのコンサートが開催され、街中では、ストリートミュージシャンによる演奏が日常的に行われています。プラハ全体が音楽に包まれているのです。
秋の木立に囲まれた美しい建築物の街並みの中で、表情豊かな音色に心奪われることでしょう。
楽団は来日することがありますが、ニューイヤーコンサートが行われ、世界最高峰のオーケストラの1つウィーン・フィルハーモニーが本拠地とする楽友協会、バレエやオペラ公演が行われるウィーン国立歌劇場などの伝統的な舞台芸術の鑑賞は現地を訪れることでしか経験できません。
音楽の都と呼ばれるウィーンで、名曲の数々そして優雅な音楽ホールをお楽しみください。
穏やかな秋の陽光が街を包む中、美術館やギャラリーを巡る旅は格別です。夏の混雑が一段落した10月は、静かに名画と向き合うのに最適な季節と言えます。
ここからは、美術鑑賞をたっぷりと満喫できるおすすめスポットをご紹介いたしましょう。
南西フランスには、多くの画家が過ごした街々があります。
「エクサン・プロヴァンス」では、セザンヌのアトリエやグラネ美術館での名画鑑賞。ゴッホゆかりの地「アルル」では、ゴッホにまつわる名所巡り。「アルビ」ではロートレック美術館で絵画鑑賞ができ、著名な芸術家達の人生に触れられます。
プロヴァンス地方の美しい村々やミディ運河クルーズなど、観光しているだけでも知らず知らずのうちに、画家たちが愛した景観を一緒に堪能しているのです。
フィレンツェのウフィツィ美術館は、コジモ1世が築いた歴史的建物を利用した美術館です。収蔵されているのは、メディチ家の約2500点におよぶルネサンス絵画。ボッティチェリやダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロの名作が並び、世界有数のコレクションを誇ります。
アルビの「サント・セシル大聖堂」はオルガンの彫刻や壁画の美しさに息を呑むほど! 内部はまるで美術館のようです。なかでも巨大なフレスコ画「最後の審判」は必見です。
収穫の秋を迎えたヨーロッパは、美食家を唸らせる季節。地元の祭りや郷土料理で五感を満たすおすすめの過ごし方をご紹介します。
秋はワイン用ブドウの収穫期。広大なブドウ畑を望むアグリツーリズモへの観光もおすすめです。
食事や景色を楽しみながら自家製ワインを味わうひとときは格別。石造りのテラスからは色づく丘陵が広がり、澄んだ空気と農園の静けさが五感を満たします。収穫期ならではの豊かな旨味をお楽しみください。
実りの秋。オリーブやトリュフなどをフレッシュな風味で楽しめる季節です。収穫したばかりのオリーブを絞ったオリーブオイルや白トリュフを使った地元料理は、まさに秋の贅沢を味わうにふさわしい逸品。
毎年秋に、ピエモンテ州アルバ周辺では白トリュフ祭りが開催され、多くの美食家たちを魅了します。
秋の過ごしやすい気温の中、自然の恵みを味わう至福のひとときをご堪能ください。
ここからは、秋のヨーロッパの魅力を堪能できるツアーをご紹介いたします。
ショパン国際ピアノコンクール 2次予選の注目ポイント
2次予選には毎年のように日本人が出場しているため、同郷として熱い気持ちで応援できます。
さらに、1人の持ち時間が3次予選や本選より短い40分のため、より多くの演奏を聴き比べられることも2次予選ならではです。
≪訪問スポットの例≫
・プラハ城、聖ヴィート教会、黄金の小道
・カレル橋、さまざまな時代の建築群(プラハ旧市街周辺)
・ショパンの生家(ジェラゾヴァ・ヴォラ)
・ワジェンキ公園(ショパン像)
・聖十字架教会(ショパンの心臓が眠る)など
≪見どころ≫
・プラハ旧市街の歴史ある建築を徒歩で満喫し、美しい街並みを観光
・ワルシャワではショパンゆかりの地を訪れつつ、2次予選の演奏を鑑賞
≪訪問スポットの例≫
・ワルシャワフィルハーモニー・コンクール会場(ワルシャワ中心部)
・ショパン博物館(ワルシャワ旧王宮近く)
・ショパンの生家(ジェラゾヴァ・ヴォラ)
・ショパンが洗礼を受けた聖ロフ教会
・サノスキのショパンが幼少期を過ごした宮殿と庭園
・ショパンが頻繁にオルガンを弾いていたヴィジトキ教会
・ワジェンキ公園(ショパン像)・聖十字架教会(ショパンの心臓が眠る)など
≪見どころ≫
・連日コンクール会場で若きピアニストたちの息づかいを間近で感じる
・ショパン博物館や生家を巡り、ショパンの足跡をたどる贅沢な時間
≪訪問スポットの例≫
・世界遺産カルカッソンヌ(城内見学・城壁散策)
・世界遺産都市アルビ(ロートレック美術館、サント・セシル大聖堂)
・バラ色の街「トゥールーズ」(キャピトル広場)
・フランスで最も美しい村々「コルド」、世界遺産ミディ運河クルーズ
・セザンヌ、ゴッホ、ロートレックが愛した街々「エクサン・プロバンス」など
≪見どころ≫
・画家ゆかりの地を巡り、南西フランスならではの色彩を堪能
・「エクサン・プロバンス」に3連泊。5つ星ホテルで中世の趣を体感
・世界遺産都市のカルカッソンヌにも宿泊
≪訪問スポットの例≫
・ベネチア(ゴンドラ遊覧、サンマルコ寺院、ドゥカーレ宮、・ベネチアングラス工房)
・フィレンツェ(ピサ観光、ウフィツィ美術館・ドゥオモ、ジョバンニ洗礼堂、ベッキオ宮殿、ワイナリーのあるアグリツーリズモ)
・ローマ(サン・フランチェスコ教会、サンピエトロ大聖堂、コロッセオ、バチカン美術館・トレヴィの泉)
・世界遺産のトスカーナの古都・サンジミニャーノ&シエナ など
≪見どころ≫
・ベネチア、フィレンツェ・ローマの各都市に連泊し、ワインと美食をじっくり味わう
・少し足を延ばして、中世の雰囲気が色濃く漂う古都サンジミニャーノやシエナなども巡る
・バスを利用することでお客様の歩く距離を軽減
「音楽の秋」「美術の秋」「美食の秋」の他にも、ヨーロッパの秋にはさまざまな楽しみ方があります。
雄大なノルウェーの絶景の中で、オーロラハントに出かけます。トロムソの夜景と鮮やかなオーロラのコントラストは息を呑むほどの美しさ。
フィヨルドに面したホテルに宿泊するなど、大自然を満喫できます。
ベルギーの秋は、10月末〜11月初旬がピーク。紅葉に染まった森、湖に反射した赤や黄のグラデーションが美しい木々など、見事な秋の風景を楽しめます。自然豊かなエリアでは、色鮮やかな落ち葉を踏みしめながらのハイキングが人気です。
秋のヨーロッパならではの「音楽の秋」「美術の秋」「美食の秋」の魅力をご紹介しました。
今秋はぜひ、秋のツアーで人生を豊かにする贅沢な旅にお出かけください。
まだ体感したことのない秋の魅力との出会いがあなたを待っています。