概要
旅の準備から帰路までを支える「旅行コンシェルジュ」。今回はその道のプロにインタビューし、仕事のやりがいや、お気に入りの旅先、そして忘れられないエピソードについて語ってもらいました。
あなたの「次の旅」を、私たちと一緒に形にしませんか?
編集部
旅のコンシェルジュとは、どのようなお仕事ですか?
岩永 幾久代(以下、岩永)
お客様のご興味や好み、ご要望を伺いながら旅をご提案して、出発までご一緒させていただく旅の総合案内人です。添乗員として、旅先まで同行させていただくこともあります。JTBロイヤルロード銀座には、添乗経験が豊富で現地を知るコンシェルジュが多くいます。でも旅の主役はお客様。「こうなんですよ、こうしましょう」ではなく、お客様の気持ちに寄り添うことを第一に考えています。
編集部
より良い旅を提案するために、工夫されていることはありますか?
岩永
多くの選択肢をご提案できるように、若い頃からたくさん本を読み、映画を見て勉強し、いろんな場所を旅してきました。今はAIなど、さまざまな情報収集の手段がありますが、やはり自ら身をもって学び、得た経験が役立っていると感じています。
JTBロイヤルロード銀座では、ツアーを作る人と、それをお客様にご案内するコンシェルジュが同じフロアにいます。お客様の声を直接企画に反映できますし、少人数なので一般的なツアーにはないようなより深い体験をご提案できるのも、強みだと思っています。
編集部
添乗された旅先で、心がけていることはありますか?
岩永
お客様にはその場所の匂いなど、五感から得られる旅の醍醐味を味わっていただきたい。たとえば自由時間には、地元の方の生活に触れられる市場などをご案内するようにしています。
また、欧米の方は朝が遅いので、混雑を避けるために敢えて早い時間の行動をご提案したりもします。ハネムーンのお客様が、早朝に人気の観光スポットを回られて、おふたりだけの写真を楽しまれたこともありました。
編集部
添乗された旅で、特に記憶に残っているエピソードはありますか?
岩永
シリアの砂漠でバスが故障し、通りがかったスペインのツアーバスに乗せてもらったことがあります。どんなハプニングも「岩永がいれば大丈夫」と思っていただけるように、お客様には焦った顔は見せないようにしていますが、さすがにもうダメかと思いました。
予定通りにいかないことがあっても、「代わりにこんな体験ができた」と、喜んでいただけるようにしたい。私ひとりでできることは限られますが、現地スタッフや日本のチームのバックアップに助けられることも多いです。あのときも、バスの中でスペインの方々と思わぬ交流ができ、楽しかったと言っていただけてほっとしました。
編集部
いろんな場所に行かれていると思いますが、お気に入りの旅先は?
岩永
たくさんあって絞り切れませんが、もっと多くのお客様に訪れていただきたいと思っているのは、オマーンです。中東の中でも治安が良く、政治的にも安定しています。海のシルクロードの中継地で歴史があり、遺跡や古い町並みが楽しめます。
また最近、エベレスト街道を歩いたのですが、最後にはシェルパさんと家族のように離れ難くなりました。自分の足で歩かないと見えない特別な景色に、本当に感動しました。
編集部
すごい冒険ですね!最後に岩永さんの考える、良い旅とは?
岩永
五感で体験いただくのが、旅の醍醐味です。現地の人と話す、街を歩くなど、日常を離れてちょっとした冒険に挑戦していただきたい。その背中を押し、安心して挑戦できるようにサポートするのが私の役割です。
同じ場所でも、訪れる時期や季節によって、体験はまったく違ったものになります。やっと取れた貴重なお休みが、たとえば梅雨時期だったとしても、そのときどきに最も旬な場所で旬な体験をご提案できる。そういうコンシェルジュでありたいと思っています。
大地からの恵みをたっぷり浴びた新鮮な野菜たちが織りなすハーモニーは、まるで飲むサラダ。ビタミンやミネラルも豊富で、強い日差しを浴びた身体に染みわたります。火を使わないシンプルな料理ながら、店によってレシピは様々。食べ比べも楽しいですよ。
限られた海域で、限られた時期にしか獲れない天然もの。自然の海でゆっくりと成長した生命力あふれる味わいはまさに自然からの贈り物。これを食べるためにニュージーランドに行きたいくらいです。