ギリシャの南東部に位置するクレタ島は、美しいエーゲ海と歴史ロマンに溢れる島です。訪れた人々の多くが透明度の高い海に目を奪われ、遺産や文化に感動を覚えます。
ここでは、クレタ島を訪れたらぜひ立ち寄りたい観光スポットから、癒しを与える大自然まで、クレタ島の魅力をまるごとお届けします。
エーゲ文明発祥の地「クレタ島」には、語り継がれる多くのギリシャ神話があります。あらかじめ知っていれば、よりクレタ島の観光を愉しめることでしょう。そこで、クレタ島の歴史とギリシャ神話に由来するミノタウロスの伝説をご紹介します。
クレタ島の歴史は古く、紀元前2000年頃に古代クレタ文明が発達していたといわれています。建築や工業などの製造技術力が備わっており、交易も盛んに行われていたようです。
そして紀元前1600年頃には中央集権化が進み、つぎの4つの宮殿に権力者が誕生します。
しかし紀元前1500年頃の自然災害によって、すべての宮殿が崩壊。さらにはギリシャ本土のミケーネ人がクレタ島に侵攻するといった要因もあり、クレタ文明は衰退しました。
兄弟間で権力争いをするクノッソスのミノス王は、王位継承権を証明するため、海の神であるポセイドンに白い牡牛を与えてほしいと祈ります。ポセイドンはその白い牡牛を生け贄に捧げることを条件にミノス王に白い牡牛を与えます。
しかし、ミノス王は白い牡牛の美しさに惹かれ手放すのが惜しくなり、別の牛を生け贄に捧げ、ポセイドンを欺きます。それに怒ったポセイドンは、ミノス王の后が白い牡牛と恋に落ちる呪いをかけ、后と牡牛の間にミノタウロスが誕生するのです。
ミノタウロスは成長するにつれて凶暴・残虐化します。ミノス王は暴走するミノタウロスを抑えるため、約1,300部屋のある迷宮(ラビリンス)にミノタウロスを閉じ込めて、二度と出られないようにしました。
アテネの若者が生け贄としてミノタウロスに捧げられていましたが、アテネ王アイゲウスの息子であるテセウスによって、ミノタウロスが倒され、終止符が打たれました。
ミノタウロスの伝説はテセウスの英雄伝説でもあり、その後の芸術作品などにも大きな影響を与えたといわれています。
クレタ島には遺跡をはじめ、クレタの歴史を知るさまざまな観光スポットがあります。
上記でお話しした、ミノタウロスを閉じ込めた迷宮(ラビリンス)のある宮殿です。1900年、イギリス人考古学者アーサー・エヴァンズによって宮殿跡が発掘され、工芸品や壁画などのさまざまな遺物も発見されました。
現在、観光できるクノッソス宮殿は再構築したものであり、クノッソス宮殿内に飾られている牛の壁画などもレプリカですが、世界最高水準の文明であったクレタ文明の雰囲気を味わえます。
クレタ文明に関連する展示品が多く、ギリシャのなかでも高い評価を得ているのがイラクリオン考古学博物館です。
クノッソス宮殿の壁画などの現物は、こちらのイラクリオン考古学博物館に展示・保管されています。「百合の王子」や「パリジェンヌ」など、3000年以上前に描かれた壁画も鮮やかな色彩のまま残っており、古代文明の魅力を肌で感じられます。
イラクリオンにあるクーレス要塞は、海からやってくる敵の侵入を防ぐため、9〜10世紀頃に建てられました。その後、何度も再建を繰り返し、現在ではイラクリオンのシンボルとして多くの観光客が訪れているスポットです。
クーレス要塞の上に登ることもでき、透明感のある美しい海が目の前に広がる風景やイラクリオンの街並みを一望できます。
1962年建造のハニア考古学博物館は、当初キリスト教会として使われていた、趣のある建物です。館内では、アルテミス像やライオンのレリーフなどを展示しています。ギリシャからローマ時代の歴史に思いを馳せながら展示をご覧ください。
ディクテオン洞窟は、ギリシャ神話に登場するゼウスが誕生した場所といわれ、別名ゼウス洞窟とも呼ばれています。洞窟の中は鍾乳洞になっており、その幻想的で神秘的な景色に、心が奪われることでしょう。
ディクテオン洞窟の入り口付近にあるラシティ高原には、現在稼働していない古い風車の跡が展示されています。緑あふれる高原に佇む風車はまるで絵画のような風景です。
ゴルテュスは、クレタ文明時代に栄えた遺跡であり、ローマ時代にはクレタの首都として大きく発展したエリアです。そのゴルテュスの近郊にあるのがマタラビーチ。ギリシャ神話の舞台になった場所として知られていますが、山に囲まれリラックスして過ごせるビーチとしても人気です。
かつてベネチアの領土・要塞だったスピナロンガは、クレタ島の東部にある島です。至るところに、ベネチアに支配されていた跡が残っており、ベネチア領土時代の歴史を感じます。
この島はハンセン病患者のコロニー(隔離施設)としても使われていた時期があり、ここには島の歴史のほか、ハンセン病患者の生活についての情報が展示されています。
1587年に建てられたギリシャ正教会「アルカディ修道院」は、1866年〜1869年にかけて起こったクレタ蜂起(ほうき)での集団自決の場として知られています。
自由を手に入れるため、クレタ島を占領していたオスマン軍とクレタ人との間で反乱が発生。クレタ反乱軍の司令部として使用されていたアルカディ修道院に身を潜めていた婦女子や老人は、オスマン軍への降伏を拒み、火薬で自害することを選んだのです。
併設されている博物館とあわせて、クレタ島の歴史を学べる場となっています。
ローマ時代から第二次世界大戦までのクレタ島の歴史をたどるように、年代ごとの展示品が並びます。イラクリオン考古学博物館とあわせて訪れていただきたい博物館です。クレタ島が独立を目指して戦った時代の絵画などを鑑賞することで、博物館の名前の通りクレタ島の歴史をより深く理解できるでしょう。
自然豊かなクレタ島には、美しいエメラルドグリーンのエーゲ海・峡谷・湖などが広がっています。壮観な景色を目の前に、ハイキングやトレッキングを楽しむのもクレタ島の観光ポイントのひとつ。ここでは、クレタ島の大自然が感じられる観光スポットをご紹介します。
ベネチアンハーバーは、16世紀頃に建てられた倉庫や船の修理場などの建物が立ち並ぶ港町です。オシャレなカフェやレストランも多いため観光客に人気のエリアとなっており、港町を眺めながらゆっくりと過ごせます。シンボルである灯台からは、眼下にハニアの街や海を見渡せ、一段と違った景色も愉しめます。
クレタ島の最高峰であるイディ山は、ギリシャ神話に登場する女神レアーを祀る山として知られています。女神レアーはゼウスの親。伝説によると、イディ山周辺の洞窟がゼウス生誕の地といわれています。
クレタ島唯一の国立公園「サマリア峡谷」。ヨーロッパ最大級の峡谷は16kmと長く、断崖絶壁に囲まれた峡谷の眺めは壮観です。自然の力でつくりだされた岩壁など多彩な景色を堪能できるため、トレッキングコースとしても非常に人気があります。季節に関係なく早朝の気温が低いため、防寒アイテムを準備しておくと安心です。
バロス ラグーンは、静かな時間を過ごせる秘境ビーチです。舗装されていない道を超えるなど、道のりはすこし険しいですが、その先には、透明度の高い透き通った海が広がります。
海がターコイズブルーに輝く美しいビーチです。砕けた貝殻とサンゴのかけらが砂浜に打ち上げられると、ピンクの砂浜になることからピンクビーチともいわれます。
ハニアの街から徒歩15分というアクセスのよさが魅力のビーチです。ビーチには更衣室・シャワーも完備されており、夕刻には美しいサンセットを観賞できます。
クレタ島の南西部に位置するパレオホーラにあるビーチです。広い砂浜が特徴的で静かなビーチですが、周辺にはレストランやカフェも多くならぶので、ひと泳ぎした後に少しランチ休憩など、自分のペースでビーチをお愉しみいただけます。
クレタ島で唯一の淡水湖です。普段はターコイズブルーの色をしていますが、太陽の光加減で湖の色がさまざまに変化します。湖は暖かく、泳ぐことも可能。ペダルボートのレンタルも行っているので、湖上から山々の景色や湖、生息する動物を観察しながら、のんびりと大自然に包まれる体験もオススメです。
カメや爬虫類、カメレオンなどにも出会える、コンパクトでかわいらしい水族館です。入場料は生き物の保護にも使われ、ケガをした動物なども飼育されています。間近で生き物を観察したり写真を撮ったりできる、ふれあい体験もオススメです。
クレタ島には古代文明の名残である建物が多く立ち並んでいるため、街並み散策にも適しています。ここでは、クレタ島の散策にオススメの観光スポットをご紹介します。
ハニアはイラクリオンの次に大きい街で、散策を満喫できるエリアです。レトロで洋風な建物が立ち並び、まるで映画のワンシーンに入り込んだよう。フォトジェニックなエリアとしても有名で、どの角度から写真を撮ってもハニア旧市街のノスタルジックな街並みが綺麗に写し出されます。
旧市街の中心部にあるのは、地元民の食料の宝庫として愛されるハニア・マーケット。チーズやワインを購入すれば、ハニアの暮らしぶりを感じられます。
イラクリオンとハニアの間にある「レシムノン旧市街」は、ベネチア時代の建造物が多く残る古風な街並みが魅力です。街を抜けた港の防波堤の先には、「レシムノン灯台」。海岸沿いから少し上がったところには「フォルテッツァ城砦」と、見どころ満載のスポットです。
大学・ショッピングセンター・ホテルなど、現代的な建物の多いのが「レティムノ市街」です。市の中心部には「レティムノ聖フランシスコ教会」や「レティムノ考古学博物館」があり、古代ギリシャ時代からローマ時代にわたる、さまざまな絵画・彫刻に出会えます。
クレタ島の名産といえば「オリーブ」が有名です。オリーブオイル ファームではオリーブの栽培はもちろん、ハーブなども育てています。ファームのオーナーやご家族との触れ合いもあり、よりギリシャが身近に感じられるのではないでしょうか。
クレタ島のリゾート地として有名なのが「アギオス ニコラオス」です。湖に囲まれた街の高台にはレストランも多く、食事を愉しみつつすばらしい景色を眺められます。
夜は至るところでライトアップされるため、湖に光が映し出される幻想的な景色と雰囲気をご堪能ください。優雅に時間を過ごせるエリアです。
今回ご紹介したように、クレタ島にはギリシャ神話にまつわる聖地や史跡が数多くあります。古代の高度な文明の跡を辿る旅はいかがでしょうか。
クレタ島の滞在が含まれる添乗員同行ツアーも企画しています。自由時間の過ごし方、行きたいところや見たい場所など、コンシェルジュや添乗員にご相談ください。
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クレタ島DATA ・国・・・ギリシャ ・言語・・・ギリシャ語。英語も使用 ・所在海域・・・地中海 ・面積・・・8,336㎢ ・日本との時差・・・6時間 ・飛行時間・・・約16時間 ・気温・・・夏平均28℃、冬平均15℃ |